終身雇用や年功序列といった日本型の雇用システムが崩壊を迎えつつあります。黙っていても給料が上がる時代は、もはや過去の遺産。
年金も頼りにならず、老後のための資産づくりは自分責任とまで言われるようになっています。
と、こんな話を聞くと誰もが不安をかき立てられます。そんなことは分かっていると思いつつも、実際何から始めていいのかわからない。。
そんな私も、数年前までは貧乏科学者としてお金とは全く無縁の生活をしていました。資産運用どころか、貯金も100万円あるかないかといったレベル。そうこうしているうちに契約期間が終わりを迎え、失業の危機に瀕してしまうと言う有様。。(科学者というのは、実は非正規雇用なのです)
息も絶え絶えで民間企業に転職した私は、それから一念発起して資産運用の方法を学び直しました。おかげで、今では会社の同僚にアドバイスを求められる程度の知識を身につけることができました。
今回は、私が実践している資産運用の方法について1から解説します。
資産運用に興味はあるけれど、何から始めたらいいのか分からない。そんなことを考えている人は、ぜひとも参考にしてみてください。
個別株やFXには手を出さない
資産運用と聞くと、成長が期待される企業の株を買って、株価が上がったところで売却するようなイメージを持つ人がいるかもしれません。このように一つ一つの会社に投資することを、個別株投資といいます。
個別株投資は、儲けられるときは大きく儲けることができますが、大きく損をすることもあります。このような投資を、ハイリスク・ハイリターンといいます。
ハイリスク・ハイリターンの別の例として、FXが挙げられます。FXは外国為替証拠金取引のことを指し、為替の変動を利用して利益を出すことを目的とした投資手法です。
まず1つ言える事は、サラリーマンが普通に資産運用をするのであれば、個別株投資やFXには手を出さないことです。
その理由は、大きく分けて2つあります。
まず1点目は、先にも書いたようにこれらの投資がハイリスク、ハイリターンだからです。
いずれも儲けることができれば大きく儲けられますが、損をするリスクも非常に大きいです。サラリーマンがおこなう資産運用は、着実に資産を増やせる方法に集中するべきです。いわゆるローリスク・ローリターンと言うやつです。
たしかにネットや雑誌を見ると、個別株やFXで大きく儲けられた人が華々しく紹介されています。
しかしこれは、生存者バイアスと言って、うまくいったからからこそ表舞台に立つことができているのです。その影には、失敗して財産を失った数多くの人がいることを忘れてはいけません。
個別株やFXに手を出してはいけない2つ目の理由、それは一度これらの投資に手を出すと気になって仕事が手につかなくなってしまうからです。
私の同僚にもFX愛好家がいましたが、仕事中も何度もチャートを眺めていて、まるで仕事をしているようには見えませんでした。本人は隠れてやっているつもりかもしれませんが、周囲にはバレバレです。つまり、そのくらいのめり込んでしまっていると言うことです。
サラリーマンにとって本業の収入は生活の基盤となるもの。それらを脅かしてまでのめり込むような投資には、手を出すべきではないのです。
投資信託とETFを購入する
ということで、サラリーマンはリスクがそれほど高くなく、仕事中に価格の変動が気にならないような投資商品を運用すべきだと言うことになります。
実はこの2つの特長を兼ね備えた投資商品が世の中にはあります。それが投資信託です。
中でもインデックスファンドと呼ばれる投資信託は手数料も安く、価格変動のリスクも個別株ほど高くありません。
私は楽天証券を使って、たわらノーロード先進国株式という投資信託を購入しています。世界中の先進国の株式をまとめて運用している投資信託のため、1つ1つの企業の業績に惑わされることなく、ほったらかしで投資することができます。
投資信託と並んでお勧めなのがETFと呼ばれる金融商品です。ETFは上場投資信託と呼ばれる商品で、広い意味では投資信託と同じです。ただし投資信託よりも手数料が低い上に、上場されているためタイムリーに売買することができるなど、ETFならではの魅力が数多くあります。
私はやはり楽天証券で、TOPIX連動型のETFを購入しています。これにより、実質的に東京証券取引所に上場しているすべての株式を購入しているのと同じ効果が得られます。
サラリーマンが資産運用しようと考えているならば、インデックス型の投資信託とETFを購入するだけで十分です。
これらの投資をさらに深く知りたいときは、下記の書籍がおすすめです。インデックスファンド投資家として有名なブロガーの水瀬ケンイチさんが、初心者にもわかりやすく、自らの経験談などを踏まえて投資のやり方を教えてくれます。
iDdeCoとNISAを活用しよう
投資信託やETFの購入は、iDdeCoとNISAなど税制面で有利となる制度を最大限使いましょう。
iDdeCoやNISAについては、別の記事で詳しくご紹介します。
自分でコントロールするのはリスク資産の割合だけ
資産運用のために購入する投資信託やETFの種類は、ほとんどの人にとって最適解があります。つまり、どの商品を買えば良いのかについてはあまり悩む必要はありません。
投資信託であれば私が購入しているたわらノーロードを始め、手数料の安い製品がいくつか知られています。
ETFの場合はもとから手数料が安いので、どの指標に連動しているかを選ぶだけです。日本株の場合は、TOIPX連動型のETFを買えば良いでしょう。
そうするとサラリーマンが資産運用する上で自ら決めなくてはいけないのは、どの程度の資産をリスク資産に振り分けるかと言う点のみです。
私の場合、全資産のおよそ3分の1がリスク資産になるように購入を進めています。
資産の管理は、マネーフォワードと言うアプリを使うと一目で全体が分かります。
マネーフォワードについては以下の記事を参考にしてみてください。
家計管理のコツは手を抜くこと。アプリを使って賢く貯蓄しよう。
貯金額が少ない場合、まずは現金を貯めることを意識しましょう。リスク資産への投資は最低限に抑えます。
ある程度貯金がたまってきたら、積極的にリスク資産の割合を増やしていけば良いでしょう。
まとめ
今回は、サラリーマンが資産運用する上で気をつけなくてはいけない点についてまとめました。
個別株やFXなどのリスクの高い資産ではなく、インデックス型投資信託やETFのように、ローリスクながらも確実にリターンが期待できる投資を心がけましょう。
もちろんこれらの商品は、ローリスクとはいえどももリスクは確実に存在します。場合によっては元本割れを起こしてしまう確率もゼロとは言えません。まずは現金である程度の預金ができる家計作りを目指します。その上で、余裕ができたら少しずつこうした資産を増やしていくようにしましょう。